おしゃれ女子風な足元の写真だけど、これはヒルクライムできないヘボローディーが坂の途中でくじけた時にできる構図。
疲労がピークになる→前を向くことができなくなる→うなだれる→「…休憩がてら写真でもとるか」(山中で他にすることがない)
納車2日目で140km走った4週間後、初ヒルクライムのレポ(2016年11月20日)。
いつものように前日談から。
「コースどこにしよう。僕がコース引くとヒルクライムになるけど」
140kmライド以降、70kmほどのライドを重ね、いろは坂(ぷちカントリーデスロード)、百草園など短めの坂は行ったが、まだ山には行ったことがなかった。
坂がきついことは分かっていたが、山がいかほどのものか。恐ろしくもあり興味もあった。
はい、「ゆるっと登れて足が育つ」「緩めの峠」の「入山峠」に決まり。
さすがの私も何度も騙されて、嘘を見抜けるようになってきている。
まあ、それはいい。で、コースなんだけど
メインディッシュ(入山峠)の前に3つ峠が挿入された計4つの峠なんだけど!?
「大丈夫。前菜はスライムみたいな雑魚ですよ。余裕です」
「わー、アリアハン楽しみ〜、絶対嘘ー」
あとで分かるが、スライムなのは最初の峠だけだった。
K氏のローディー特有の嘘は、「本人の中では本当」というタイプ。あと、肝心な情報(1番やばいやつ)を出さないという特徴がある。
この時も入山峠の情報は何も出てこなかった。まあ詳細聞いても私では分からんのだけど。
早朝のミストライド
新宿始発の中央線に乗り、立川に向かう。
ところで、ものすんごい霧なんだが!
日の出前の霧が立ち込めた町は怪しい雰囲気しかなかったが、日の出との組み合わせの景色は最高。
サイクリングロードに入り、霧の中走行開始。
早朝ライドはほんっとに気持ちがいい。
ただ、霧の湿気がまとわりついて寒い!
途中霧が激しいゾーンでは視界が2mくらいしかない。
1時間ほど走っていると山が見えてきた。
公道でもアップダウンが始まり、敵地が近づいてくるのが分かる。
「坂が…見えてきた。しかも霧がかっていて、ヤバイ雰囲気しかない!!!山が、近づくなと言っている!!!」
「大丈夫大丈夫」
「ホラー映画だと死ぬパターンのセリフだよそれ!!霧の中からでっかい触手がシュッと出てくるやつだって!!」
「いけるいける」
山を前にしてビビりまくる私。
最後の抵抗もむなしく、スライム峠を登り始める。
ん〜、いきなり辛いですね〜。
登る前にひるんだせいで最初の勾配でいきなり足をついてしまったが、それ以降はひたすら我慢して一番軽いギアで登り切る。
比較的短い峠だった、気がする。
「ね?雑魚だったでしょ?」
「…ゼィ……ハァ…ゼィ……(喋れない)」
その後、いくつか峠を越えたような気がするけれども、正直おぼえてないwww
紅葉はきれいだった。
本丸の「入山峠」へ
3つの前菜ですでに脚を使い果たした私。
峠までのゆるやか〜な登りがさらに脚を蝕む。あと、ようやく乗り慣れて普通のライドでは痛くなくなってた尻が痛いwww
足りない筋肉と脚力、体力のせいで坂が着実にダメージを与えてくる…。
ただ、景色はとてもいい。
朝露が降り注ぐ道。
超インドア派だった自分が、まさかこんなところに自走でくるようになるとは…。
たくさんの映画を見て世界の風景を鑑賞してきたが、生の自然の感動にかなうものはない。
濡れた地面と、これの組み合わせは凶悪(スリップする)。山はこんなところでも殺しにくる。
ヒルクライム開始
一般車道立ち入り禁止の看板を越えて、いよいよ入山峠、林道コースを登りはじめる。
んんんwwwいきなりこの斜度www
濡れた落ち葉が降り積もっていて、めっちゃ路面滑るし、地面も見えないwww
落石も多いうえに落ち葉で隠れているので、路面状態は決していいとはいえない。
障害物を避けながら登るの、ほんっっと辛い!!
ふぅ…。
もう無理WWWW
なんども脚を付き、斜度が上がるたびに立ち漕ぎ(まだダンシングできない)をしていたが、技術がなさすぎてスカッ 、スカッとペダルが空転。
その衝撃でバランスを崩し、さらに体に負荷がかかる。
坂で姿勢を保つ背筋も足りず、前を向くこともできなくなり、視界には地面しか映らなくなっていた。
_| ̄|○
完全に↑状態。
K氏にはとっくに千切られて一人山にポツーン。
振り返ると謎のUFO看板。
「……帰りたい…。本気で帰りたい…。タクシーで…」
心の根幹がボッキリと折れた。
「そうだ…もう帰ろう。なんでチャリで山登ってるんだろ…自転車押して…」
……。
…………。
山のど真ん中なのに帰れるわけがない。
一瞬LINEタクシーを呼べばここまできてくれるんだろうか、と思ったが、林道は自動車立ち入り禁止だった。
山に来たら山を登りきるしかない。
振り返る。万里の長城か。
トロトロと押して登っていると、K氏が戻ってきた。
「山頂までもう少しですよ」の一言で元気が出て、再びロードにまたがる。
トンネルを抜けるとそこは〜
山頂!
やっと到着した!!
大半押して登ったけど、達成感は一応ある。
絶景じゃ〜。
この後、ちょっと降ったらまたえぐい登りがあって「山頂とはーーーー!!!」と叫びたくなった。
「瀬音の湯」の足湯で終わった脚を回復
無料で足湯を楽しむ。
染みる〜。
「足湯で血の巡りがよくなって乳酸が全身にまわるwwww」
ほっこり温まったらお昼ご飯。飯処を探すのが面倒というかもう1mmも坂を登りたくないので温泉内のレストランで済ます。
檜原村役場でデザート
檜原町役場は自転車支援をしているらしく、役場にサイクルラックがある。
神役場…(サイクルラックがあるだけでテンションがあがる)!
さらに、役場内には喫茶スペースがあり、手作りのケーキとコーヒーがいただける。
自転車修理キットも空気入れもそろっているし、軽いパンクくらいならここでなおせそう。
初ヒルクライムはまったく登れなかったけど、ここから2ヶ月たった今思うと確かに初心者向けだったのかもなぁ…。
思い出を美化しているだけかもしれないけど。
「楽しかったですね〜。今度は都民の森いきましょうね^^!ここから近いですよ^^!」
ひっ…!