金曜夜、西日本は寒波に襲われ、関東もしっかり寒かった。
うーん…落車してからしばらく乗ってないけど、土曜日は乗りたい。しかしこの天気では今週末もライドは厳しいかも。と、ウダウダしているところでK氏からライドの誘いが。
「箱根いきましょう」
「えっ、でもめっちゃ雪じゃん。それに箱根って。登れるかわからんうえに寒そう。死ねる」
斜め上の誘い文句きたwww 弱虫ペダルから攻めてくるとは。
あの手この手を使って山へ誘導してくる。
寒いうえに難所で有名な箱根へ行くのは、今の自分にはいろんな意味でハードルが高い。
しかし、そろそろデスライドをしないとブログのネタがない。
そんな理由で箱根行きを決定した。(東堂さんの実家に行きたかったわけでは…🤗)
ルートは国道1号線、登り18km、獲得標高1000m
初ヒルクライムの入山峠が標高600m、距離5km程度。今回は距離が3倍、標高も2倍ほど。
冷静に考えると、ヒルクライムまだ2回目じゃん。
本当にいけるんか…。
小田原〜箱根湯本〜宮ノ下。温泉街の風情最高〜〜
小田原を出てすぐにゆるやかな坂がはじまるが、難なく箱根湯本へ。
「箱根の雰囲気ええな〜。温泉にも入らず宿にも泊まらない真冬の箱根きた〜〜〜!自転車は最高やで〜〜〜」
幸い、天気は晴れで風も少なく、日が出ていれば暖かい。
一方で、山の陰になっている部分はしっかりと雪が残っている。
たまらん。
入浴場もいくつかあり、温泉街らしい湯気がいくつも立ち込めている。
それにしても箱根は車が多い。
除雪はされているが、路肩は雪が積もって凍結していてバランスを保ちながら走るのは地味にきつい。背筋が爆発しそうになる。
脚も心肺も余裕はあるが、背中の痛みがやばすぎて何度か足つき。今回は押して登らないのが目標なので、休憩は大丈夫大丈夫…。
小涌谷〜芦ノ湖。斜度上昇、脚を使い切る
国道1号線の最高地点を目指す前のラストコンビニで補給。
「ここで登り半分くらいです。余裕そうですね。
「結構登ったと思ったのにまだ半分…。脚の疲れは割とやばい。それより背筋がやばい」
「ここから斜度がぐぐっと上がります」
「うっ…」
幸い車は少なくなってきたが、斜度がじわじわと上がっていき、ギアを落としていくうちに「おおう、もう軽いギアは売り切れた」状態に。
あとは脚の力を使って登るしかない。
と、前を走るK氏がキュッとブレーキをかけた。
「はい、ここが東堂さんの実家(と噂されてるとこ)」
「スゲー!めっちゃ風情ある旅館!」
こんなとこに住んでたら、そりゃ速いクライマーにもなるわ。
このあと、ロードバイクに必要なのは強いメンタル、強い身体、そして実家の太さ(資金力)だな、という話で盛り上がった。
我慢に我慢を重ねて最小ギアでペダルを踏み続け、ついに国道最高地点に到達。
箱根ヒルクライム達成したぞーー!!!
嬉しすぎる…。
あまりに坂が登れなくて箱根達成は1年後先くらいかと思っていたが、乗り始めて4ヶ月で登りきれた。
地味な努力を続けてきてよかった…うっ。
それはそうと、最後のきつい登りでフワーーーっと強めの向かい風が来て、例えようのない殺意が湧いたよ🤗
下りなら許すが、登りの向かい風、本当に許せない…。
一体誰に向けていいのかわからない殺意。向かい風。坂。
つらみ。
芦ノ湖でお昼ごはん
あとは下って、芦ノ湖へ。
いい感じで脚が売り切れた。いい疲労感だ。 箱根最高ーー!
その後、蕎麦屋に入り、お昼ご飯。
店内のストーブを取り囲み、冷え切った体を温める。
黒糖稲荷寿司、みそこんにゃく、山かけ蕎麦を注文。
黒糖稲荷は甘めの味付けで中のレンコンがシャクシャクしてて超ウマー。
「この黒糖稲荷は僕が奢ります。その代わり、大涌谷登ろ?」
「奢ってくれなくていいし、登らないし、脚はもうない。本日完売!終了!」
「なんで!!絶対後悔するよ!!大涌谷いかないと後悔する!!!絶対行きたい!!!」
「脚はさっき使い切ったし腰も痛い。何より寒い!曇った瞬間凍死しそう」
「じゃあここから別行動かー。僕は大涌谷いって頂上で美味しい名物の黒たまごを食べてエンジョイする。帰りは来た道戻って小田原まで下ればいいですよ」
「今のイラっとしたなぁ〜✨ 来た道戻るの嫌いだし登るよ!!登る登る!!!」
ということで、大湧谷ヒルクライム、おかわりで3.7km、200m標高アップ追加!
よく見たら、最初の予定表にもしっかり組み込まれてるじゃないか。
K氏は相変わらず大事なことを言わない。
ちなみに大涌谷はここ。
本当のデスライド開始!クソ坂アップダウンのオンパレード(死亡)
で、大涌谷までのルートなんだけど、箱根の道よりも遥かに過酷だったんだが!
ドーナツ激坂とか注文してない!
「これはたぶんすぐ終わるやつです」
すぐオワンネーー!
キツーーーー!
(ここで意識が飛んだ)
しばらくして先に行っていたK氏が戻ってきた。
「この後は常識的な坂なので大丈夫ですよ」
「常識的な坂wwwwwなにそのパワーワードwwww」
そこそこ長いドーナツ(非常識な坂)を越えたら、スーパーアップダウンのルート。
下りがあれば登りがあるし、下ったらさらに登らないといけなくなる。だってこのあとさらに頂上目指して登るんだから。
登るっていってるんだから、下りはいらないやん…なぜ道を真っ直ぐ繋げてくれないの(泣)。
ああ〜目の前に立ちはだかるアレ、あそこまで登るんだよ!!
「なぜこんな辛い思いをしてまであのハゲ山に登らないといけないのか」
「…^^!」
山は100mアップするたびに気温が0.6℃下がるという。
天候は晴れのはずだが、強風であおられた木々が積もった雪を降らせてくる。
気温はマイナス2℃だが、体はカーッと燃えるように熱い。
登れているかのように書いているけど、きつい坂は全部押した!!!ここは1号線ではないからノーカンね!!
じわじわ登っていくと、火山ガス発生注意の看板が連なり、硫黄の匂いがしてくる。
絶景!大涌谷に到達
富士山頂は曇りで見えなかったが、超絶景!
ハゲ山とか言っててすみませんでしたー!
絶景だが強風とマイナス3℃の気温で死ぬほど寒い。体感温度はマイナス5℃くらいだと思う。
黒たまごは5個入りからしか販売しておらず、バラ売りは売り切れ。5個もさすがにいらないので、黒にくまんを購入。
見た目はでっかい虫の卵のようだが、味は普通に肉まんだった。
「ここからダウンヒル(下り)か。三途の河まで下れそう」
「3kmだけ下って、強羅駅から電車で帰りましょう。寒すぎてダウンヒルの爽快感は皆無。危険度の方が高い!」
ダウンヒルは予想どおり、両手の小指が凍傷でちぎれてなくなるかと思うくらい寒かった。
こんなんで18kmもダウンヒルしたら手が動かなくなって三途の河へドボン確定してしまうやろ。
上強羅から強羅までのラインはまっすぐ下る激坂。
あまりに斜度がきつくてロードバイクに乗って下るのが不可能で、押して下る。
「この坂は別の意味でつらい。こういうことをしたくないから自転車に乗っているというのに…」
帰りは小田原で焼肉をたらふく食った。明日は間違いなく脚と背中が筋肉痛だろう。
登れてしまったとはいえ、箱根はやはり難易度的には高いほうらしく、ここが登れたなら普通の峠はもういけるとK氏はいう。
3ヶ月前はまったく坂が登れなかったが、ロングライドや講習を重ねて、ひとつの基準でもある名所・箱根を登れたのは本当にうれしい。
ロードバイクの楽しさは、疾走感や爽快感、達成感などいろいろあるが、自分の肉体の変化も大きい。体感を鍛えてテクニックを磨けば、もっともっと登れるようになりそう。
その上で普段見れない絶景も堪能できるし、ほんとコスパいいな〜〜〜(この日のためだけに装備を3万円かけて強化したのは置いておいて)。
走行距離42km
獲得標高1450m
消費カロリー1500kcal
ってGARMINのデータみたら、獲得標高は入山峠の3倍だったワロス。
もちろんGARMINには「最高記録達成です」と祝ってもらったよやったー!
以前よりも楽に坂を登れるようになったが、2kg減量したせいなのか、ヒルクライム講習のおかげなのか、あるいは両方なのかはよくわからないな!
あと楽に登れるようになったといっても、山はちゃんとつらいな!爆発しそうなつらさが肉体の限界のつらさに変化!つらさの質が変わった〜^^。
あと、気温もマイナス2℃くらいなら普通に走れてしまうということが分かってしまった…。
よし、ロードバイクのために残り2kg減量がんばるか!