今回は「富士山って自転車で登れるの?」「坂とか登れません」
「フジヒルって時間内完走できるの?」というレベルの超初心者向けです。
ブロンズ取りたいぜ!みたいな人は全く役に立ちませんので…。
ロードバイクを始めて8ヶ月目、Mt.富士ヒルクライムを制限時間内に完走した。
タイムは2時間33分。
女子全体でいうと大体700人中500位くらいだった。
まあこんなものでしょう。
ロードで毎週末走っている、というと「運動が得意なんですか?」とか「体力あるんですね」と言われるけど、運動をしていたのは小学生まで。
それ以降はずっと文化部だし、社会人になってからもデスクワーク中心。休日はネトゲに勤しみ「今日歩いたの100歩」という不摂生な生活で、毎日熱心にキーボードに打ち込んでいた。
それがなぜロード に目覚めたのか…という話はまた後日。
ロードバイクに乗り始めて山にいくまでは「もしかしたら小野田坂道君のようなヒルクライマーかも😌」などと淡い期待を抱いていた。
現実はというと、案の定そんなことは全然なく、山ではチャリを押して登る日々。
絶望しか感じなかった。
そんな私が富士ヒルまでにやったことをメモしていく。
1.プロのヒルクライム講習会に行った
リンケージサイクリングを運営する元オリンピック代表・田代恭崇さんの講習会に参加した。
脚力も体力もない私のようなタイプは体幹を使って重心の力を借りないと、まったく登れない。
逆にいうと、体幹を意識して使えば、のろのろ運行でも脚と心肺を温存しながらある程度の距離が登れる(速くはない)。
講習では重心とバランスの話が中心だったが、これがロードバイクの基礎だったんだなぁと今ひしひしと感じている。
ヒルクライムの練習がたっぷり取れる人は試行錯誤しながらでもいいと思うが、あまり乗る時間が確保できないという人はプロの指導がおすすめ。
フォームの指導もしてもらえるし、プロのバイクさばきが見られたのも貴重な体験だった。
2.装備を軽量化した
偶然にも会社にロードバイクの神(元実業団)☺️🙏✨がいたので、神☺️🙏✨のお下がりのパーツをいくつかもらった。
カーボンホイール(中古) 前後合わせて1400gくらい
脚周りのパーツ交換は効果がでかい、というのはタイヤ交換ですでに証明済みだった。
しかし、タイヤと違ってホイールは高い。
コスパ最強と言われるゾンダですら5万円と、そこそこいいクロスバイクが1台買えてしまうほどの値段。
ただのユルポタマンがそこまで金をかけるべきなのか?とうだうだ迷っていた矢先に神が降臨☺️🙏✨
0円でカーボンホイール(合わせて1400gくらい)を譲ってもらえた☺️☺️☺️☺️🙏✨✨✨✨
初期タイヤ(鉄下駄)が大体2000gなので、600gも軽量化したことになる。
600gの脂肪に例えると5400kcal消費分。
カーボンホイールだと普通に買うと安くても10万円前後分。
その効果はというと、ギア3枚分の違いを感じるほどで、富士ヒルのような長距離ヒルクライムでは恩恵しか感じないレベル。
経験者からお古のパーツを貰えるだなんて漫画の世界だけかと思っていたけど、現実世界でも起こるだなんて。
神は存在した☺️🙏✨✨✨✨✨✨✨
軽量サドル
これまた神☺️🙏✨✨からいただいた軽量サドル。
黒い方はカーボンサドルで、軽いがカチカチのツルツルで「サドルは添えるだけ」「尻も添えるだけ」の代物である。
神☺️🙏✨も「レースで2、3時間の時に使っていた」というガチ仕様。
つまるところサドルなのに座るものではないサドルなのだ。
サドルの概念が崩壊する話だね。
富士ヒルで使うか迷ったけど、
と、これから山と勝負しないといけないのに、尻でサドルとも勝負するはめになるので、本番は白いサドルに決定。
私、サドルには座りたいの。
本番ぶっつけになったが、相性は問題なく、尻は不発に終わった。
3.山に登った
と言っても「トレーニング!」という感じではなく、いつも通りの週末のライドを山メインにしただけである。
2月 ヒルクライムの感動を味わった「箱根(国道1号線)」
なんで2月の寒波の次の日に登ったんや。というツッコミを今でもしてしまう極寒の箱根ライド。
この頃は体幹が弱く、腰が痛くなって何度も休憩しながらなんとか押さずに登りきった。
「箱根登れた!」という事実が嬉しくて嬉しくて、これがなければ富士ヒルに出ようとは思わなかったかもしれない。
後日、友達に箱根(と大湧谷)にチャリで行ったというと「すごい。頭おかしいのでは」と言われたのは良い思い出。今考えてもこの時は頭おかしかった。
3月 心が折れた「飯能の峠(高山不動尊峠、天目指峠、山伏峠)」
リアルに山の中で泣いた峠。
「富士ヒル終わったらもう坂には登らない」と天目指峠の中腹で誓った(それくらい辛かった)。
心の根幹が折れると、ヒルクライムそのものを嫌になってしまう可能性があるので、峠の選択は大事だと学習した。
なお、富士ヒルが終わった今、また富士山行きたいな〜なんて気持ちになっているので、人間わからないものである。
4月 自信がついた「裏ヤビツ峠」
裏ヤビツはそこそこ距離があり(18km)、この頃から富士ヒルの練習を意識しながら登り始めた。
相変わらず体幹が弱くて腰が痛かったが、引き足を使ったり、ももの筋肉を使ったりと、脚の筋肉の使う場所を変えながら走ることを覚えた。気がする。
なお、峠のてっぺんに出店や売店があるかな?とご褒美を期待して登るも「何もない」(売店あるけど閉まっている)というのがヤビツ峠の激アツなところ(自販機のみ)。
このへんで、ヒルクライムは「激坂でなければいけるかも」くらいの自信がついてきた。
4月 経験者の嘘を見抜けた「都民の森」
「コースの予習をしておくと心構えができて楽(精神的には。肉体は変わらずきつい)」というのが分かってきた頃。
すると、経験者特有の「大丈夫」「余裕」「あと少し」などの嘘も見抜けるようになるが、見抜けた方がいいのか悪いのかは分からない。
富士ヒルの距離とほぼ同じ25kmなので、富士ヒルも完走はできそう、という気持ちにはなった。
だが、肝心の「3時間15分以内の制限時間」というところに不安が残る。
5月 何かが壊れた「渋峠」
ローディーなら一度は行きたいと絶景で有名な渋峠でハンガーノックになり、生命の危険を感じた。
ぶっちゃけ、限界すぎて絶景に感動する余裕が皆無だった。
補給、まじで大事。特に山。
補給をミスるとリアルに死ぬ。
これ以降、ライド前はしっかり食べ、ヒルクライムの途中でも空腹を感じたらすぐに補給するようになった。
ライド後2週間は、ハンガーノックの影響ですさまじい飢餓感に襲われ、日常生活にも支障がでてしまった。
富士山はこのスケール感で斜度がマシで「渋峠よりは優しい」と思えたので、経験として登っておいてよかったなぁ…と今だから思える。
6月 本番の試走「富士スバルライン」
なぜ2週間連続で富士山に登ることになったんや???
と何度でも叫びたいところだが、結果的にコースがどんなものか分かったし、試走しといてよかった。
そして、何事もなければ制限時間内に完走できることがわかった。
料金所でローディーのパパママに連れられた10歳くらいの自転車に乗った女の子が
「みんな車で登るのずるい…」
と言って帰りたいオーラをモリモリと出していたのが印象的だった。
その気持ち、わかるよ☺️
食事制限をした
減量というか、今よりも体重を増やさないように気をつけた。
せっかく機材を軽量化しても自分が重くなると意味がないので…。
炭水化物を減らして、タンパク質と野菜中心の生活にしただけだが、案外炭水化物なしでもいけるんだなぁ。
登った山々のおかげか、体重がある一定値になるとうっすらと腹筋が見えるように☺️
なお、体型はスポーティーになっても全く速くはなっていない。
………
以上が私が大会までにやったこと…と書くと大げさだけど、楽しく継続的にロードバイクに乗って経験値を稼ぐのが一番だなぁと思った。
ヒルクライムは相変わらずきつくて辛いけど、ペダルを回せば確実に前に進むし、前に進めば頂上には必ず到達できる。
この達成感がうれしくて、仕事が辛い時ほどヒルクライムを頑張れてしまった。
なお、神に「富士山登れました!」と報告したら
「どう?90分切れた?」
とナチュラルに返され、格の違いを感じた。
※本番のタイムは2時間34分
尊い☺️🙏✨✨✨✨✨✨
本気勢はこの本でも↓