ロード・クエスチョン〜登山と自転車と温泉と〜

旧「ロードバイク辛みのデスロード」

台風予報の「ツールド東北」65kmで股間が崩壊する

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ツールド東北、170kmいけるのか!?

散々「完走できなかったらどうしよう」と怯えていたが、最後は「いけるいける(根拠なし)」と開き直りの境地まで来ていた。

 

特に練習などしていない。スプラトゥーン2とかしてた。えへへ。

 

あまりにも私がびびっていたため、Yさんがメンバー交代を提案してくれたのだが、

 

Yさん「Nさんの100kmと交代します?2日連続100kmですけど」

 

って計200kmで距離増えてるし

なおこの提案は丁重にお断りした。

天気予報、雨。というか台風

大会2日前。

天気予報は早朝から夜まで見事に雨100%

 

笑う〜。って全然おかしくない! 

雨の装備持ってない。

持つつもりもなかったし。

雨の中走るとかどんなドMよ!

 

色々悩んだ挙句、レインジャケットとレインシューズカバーは買うことにした。あとはビニール手袋とか気合でなんとかする。

なんともならなければ、おとなしくDFNしようと思っていた。

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Y's roadでサイズの合うレインジャケットを適当に見繕って(本当に適当に見た)レジに持って行く。買ったのは写真右側のやつ。

 

すごい、自転車用品でこんなにテンションの上がらない買い物初めて!

 

ギャー、欲しくねーーー!!

今後積極的に雨の中走ることなんてネェェェェヨオォォォォ!!!

  

店員「…(ピッ)…ツールド東北ですか?」

 

わい「はい。雨 allways 100%なので…」

 

店員「雨でも落ちにくいオイルなどありますのでそちらもどうぞ(営業)」

 

このあとモンベルで防水スプレーとシューズカバーも購入。

しめて15,000円ほどの出費。

ワンシーズン通して装備は揃ったと思っていたところで雨という刺客。沼い。

車で移動中に距離短縮が決定

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今回はメンバー3人で車移動ができるので、輪行をしなくていいのは快適だ。

車中、今年の目標作ろうぜという話になる。

 

Aさん「俺はトライアスロンのロングかなスイム3.8km、バイク180.2km、ラン42.2km

 

え?それ一気にやる距離??1日で??んんんww

 

Nさん「僕は富士ヒルシルバー目指そうかな」

 

おおん??ブロンズじゃなくて???ホァ???

 

なんだろうこのマッスルモンスター集団。私、完全に場違いでは???

 

Nさん「…kikoさんどうします?」

 

わい「そ、そうですね…四国一周とか?(勢い)」

 

Nさん「いいですね!!それしましょう!!!」

 

空気に飲まれて心にもないことを喋っている間に、ツールド東北の運営から「台風の影響により距離短縮」の決定のお知らせが届いた。

 

三陸フォンド170kmは65kmコースに変更である。

「え〜65か。余裕だわ」

と拍子抜け。と同時にちょっとホッとしたのも事実。

 

だが、いや今回はこれでよかった。

よかったんだよ…。走り終えた今わかる。

170km多分無理だった。

会場・石巻に到着

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 東京から5時間。スタート会場となる石巻専修大学に到着。

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おー、これこれ。この大会前日の雰囲気って好きなのよね。

富士ヒルと違ってほどよい人数で混雑していないのもよい。

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自転車を運ぶカンガルー便

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そして屋台の飯、うまそう…。肉肉しい。肉の祭り。

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夜はホテルにチェックインしたあと、近場の海鮮居酒屋で海鮮モリモリ丼をいただく。 

この海鮮をまったくケチっていない感じ。たっぷり、モリッと海鮮。メニューの写真と実物に差がない。

海鮮も新鮮で、どれも歯ごたえというか弾力がある。私はウニが臭いとまったく食べられない(オエッってなる)のだが、ここのは臭みがない。

そして飯が、ご飯が異常にうまい。米の概念が崩壊しそう。

 部屋に自転車が持ち込めるぞやったー

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ホテルは部屋まで自転車持ち込み可。輪行袋にしまわなくていいのはうれしいでしょ!

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このホテルって明らかに震災後に立て直した感じだよなあ。

スタッフの人も応援ムード。

朝はフロントで補給食のバナナが無料で配られていた。…最高。

三陸フォンド65kmスタート

全コース距離短縮だが、出発時間は混雑を避けるためにかわらない。南三陸フォンドの自分は6:30から順次スタートとなった。

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短縮されたコースはこちら。

 

心配していた雨は午後かららしい。

このコースなら、午前中に走り終えることができそうだ。

新しい雨具とはなんだったのか、という気持ちはあるが、乾いた路面で走れるのは普通にうれしい。

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20人ほどのグループでスタート。スタート直後からみんなめっちゃ飛ばす。

170km走るつもりだった健脚の持ち主の皆様「別に脚ためとかなくていいし」

のごとくめちゃくちゃ飛ばす。

はええええ!

 

あっという間に5人ずつくらいのグループに別れてしまった。私はもちろん尻から近いところにいる。

ひとつ前の集団についていけるかな?と踏んでみたが、急に「ドクン」というやばめの心臓の鼓動とともに心拍が170まで上がってしまったため諦めた。

つくば8耐の時の反省がまったく活かされていない。

 

マイペースでいこう、と改めて心に誓う。

 

ツールド東北は、道行く人々がたくさん応援してくれるのが嬉しい。

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仮設住宅からも応援してくれた!

第1エイド「女川駅」で女川汁をいただく

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海岸線らしいアップダウンをいくつか越え「そろそろ疲れてきたべ」という頃に「ここを曲がったらフォンドです」というボランティアの案内が。

う、うれぴ〜〜〜。

おらに元気(カロリーと塩分)を分けておくれ。

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エイド前の応援もうれC〜。 f:id:weststreet:20170921222721j:image

女川汁、めっちゃくちゃうまい。

距離短縮で当初あった6つほどのエイドが2つとなり、実は「エイドの飯は汁とホタテだけかー」とちょっとガッカリしていた。

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しかし、いざ女川汁を食べてみると

「汁ってこんなにうまいの?マジ?」

と、汁の概念が崩壊しそうになるうまさ。

エイドの数が減ったことも気にならなくなってしまった。

そういえば朝に食べた味噌汁も異様にうまかった。なんなの東北、汁うまい国なの?

ダシがちがうのかな。

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「景色と自転車しか映ってないブログとかおもんないから。自撮りをしろ」

という女ボスの命令に従い、慣れない自撮りをがんばる。

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女川駅津波で流され、2015年に再開したらしい。

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足湯もあり。

浸かっているサイクリストが「温度アチィけど、去年は雨で寒かったからここで生き返ったんだよね」と話していた。

股間が痛い

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女川駅を出発し、第2エイドを目指す。

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相変わらずのアップダウンが激しい道が続く。

 

それはそうと、股間が痛い。尻ではなく股が痛い。

股間に違和感を感じていたが、それが次第に痛みへと変わっていた。

「こかんにいわかんw」

などと韻を踏んでいる場合ではない。サドルと当っている場所がどんどん痛くなる。

 

ダンシングで股間の血流を促し、痛みをなんとか解消しようとするが、じりじりと痛みは強くなっていく。

 

うーん、サドルの調整ミスったかな。神からもらったサドルは軽いが、私のおしりにはやや小さかったようで股間に重力が一点集中してしまっているようだ。

 

股間の痛みをカバーしようとして右膝と腰も痛くなってきた。やばい…このアップダウンで膝と腰はやばいぞ…。

 

あまりにもフラフラと登っていたのか、管理走者の人から「大丈夫ですか」と声をかけられてしまう事案が発生。

 

さすがに「股間が痛いです」とも言えず、、これを言ったとしてもどうしようもないので弱々しい笑顔で大丈夫ですと返す。

第2エイド雄勝で巨大ホタテをいただく

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 お楽しみのエイドステーション。

遠くからでも炭の煙にのって潮の香りが漂ってくる。大きな網でたくさんのホタテが焼かれている。

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こんなに大量のホタテを見ることはなかなかないぞ!全部で3000個以上あるのかな。

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うーん、身は見るからに肉厚。プリプリで美味しそう。

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ホタテを食べながら、太鼓の演奏を楽しむ。

 

と、ここで100kmコースを走っているAさんから

「あと20kmでゴール」

 とチャットで連絡が来る。

はえー。

 

私より1時間後にスタートしたNさんもエイドに到着していた。これが走力差か。

 

Nさんが走り出す前に距離を稼ごうと、そそくさと準備をして再出発。

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帰りは、北上川沿いに走らせる平坦コース。

いや〜平坦は楽だな〜と思っていたら追い風だった。自然の恵み。

 

ここでもまた、管理走者の人に話しかけられる。

「東北は海岸沿いの民宿に泊まるとめっちゃ大量の海鮮が食べられておすすめですよ!このへんはカモシカとか出ます」

みたいな話をしてくれつつ、向かい風になったら引いてくれたw 

 

か、感謝〜。

 

この時点で、股間というか腰がかなり痛かった。

もはや腰が痛いのか股間が痛いのかわからない。腰から下は全部痛い。

腰が上半身からぽろっと外れそうなくらい痛い。

 

こんなんで170km走るの絶対無理だったわ!!!

走ったとしても超絶地獄だったわ!!!

 

機材調整ミスに加えて、トレーニング不足、周りに飲まれてのダッシュ、65km舐めてて無駄な踏み込み、等、この故障は心当たりしかない。

 

途中でNさんに華麗に抜き去られる。

そのときにハンドサインで指を下向きにちょいちょい、としていたのを見送ったが、後で「後ろについて走っていいよ」というサインだったことを知る。

気づいたのは2日後だった。

 

正午すぎに無事ゴール。

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お楽しみの屋台で昼ごはんを食べる。

去年のツールド東北グルメグランプリ優勝の「穴子丼」。

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ううううう、うっめーーーーーーーー!

新鮮な穴子たっぷり、その上にめちゃくちゃ濃厚なタレ。半熟卵をつぶしながら、これまた超うまい白米とからめて食べる。

東北最高かな。

 

穴子丼を食べ終わったら、次は豚の角煮バーガー(まだ食うのか)。

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「はい、これ撮りどころよ〜」と作る工程も撮らせてもらったw

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角煮をのせて〜。

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チーズをのせて〜。

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「はい、ここが見せ場よ!」

ゴオオオオ!

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パンをのっけて〜。

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完成。

 

角煮とろっとろでウマーーー!パンもわけわからんくらいうまい! 

 

満腹になり、ヒリヒリ痛む股間を抑えながら、帰りの車ではひとり爆睡。 

 

その後、2日くらい股間のヒリヒリに悩むことになる。

腹や背中の痛みと違い、股間の痛みは人間の尊厳を試されている部類の痛みだ。

 

後日、事務所に立ち寄ったときに「股間が痛い」「股間」「股間」と股間を連呼してしまったが、皆サイクリストなのでこの手の話には慣れっこなのがありがたい。

オロナイン軟膏Hを塗るといいよと教えてもらう。

 

うーんこれはサドルを変えるかフィッティングをしないととてもじゃないけどこれから走れないぞ。

噂の「サドル沼」にはまってしまうのか…。おそロシア。 

ツールド東北いいイベントだった

距離短縮になってしまったとはいえ、サポート体制も良く、コースの種類も豊富で面白い。

安否確認の準備やスタート前の車体整備のチェックもあり、さらにビーコンは当日盗難防止のGPSが仕込まれているなど、ライダーとして安心して走れた。

 

何よりも飯がうまい。飯がうますぎるよ。

タイムを競うイベントでもないので、初心者にはかなりおすすめの大会だった。

 

 

なお、行きの車中で「ツールド奄美でよう!210km」という話で盛り上がったが、股間の痛みで冷静になった今、なぜ210kmを1日で、制限時間内で走るのか…。

2日に分けてはしればいいのでは?ということに気がついてしまった。

 

 

富士山を登った今、積極的に過酷ライドをするとリアルに心身を痛める可能性が高かなりすぎたというのもあるが、それでも「あれ、それってデスいのでは?」というのに気がつくのにまだまだ時間がかかってしまう。

 

その原因の大半は、周りの嘘つきサイクリストによる嘘か、どこかのメーターがぶっ壊れている人が

「そこのコンビニいこう」

くらいのノリで「3500upしよう」と言い出すので、私の脳が誤作動を起こしてしまうせいだが。

 

あ〜でも四国一周はしたいな〜(誤作動)。