GW直前、仕事にかまけてて何も予定がなかった。大型連休こそ自転車で特別なことをしなければ…ブログのネタがない。
K氏は自転車で信州方面を5日間旅して回り、最後に絶景スポットで有名な「渋峠」に行く予定らしい。
「渋峠」は私も行ってみたい。
近くには草津温泉もあり、2日かけるなら軽井沢もいけそうだ。GWの小旅行として丁度良さそう。ということで、後半に合流することとなった。
K氏は獲得標高9000(箱根9回分)らしい。いろんな意味で狂っている。
観光地は現地の交通の待ち時間や路線を調べるのが何気にだるいが、自転車さえあれば、いつでも好きな時に100kmくらいなら移動できてしまう。
移動手段としても優秀な自転車は、異色なスポーツだ。
1日目のルートは横川駅〜碓氷峠を登り、軽井沢で遊び、北軽井沢のペンションを目指すゆるっと観光コースで決まり。
4日早朝、東京を出発して新幹線に飛び乗る。
さすがに隅っこ席はとれなかったが、余裕で座れてしまう。大型連休の信州方面は実は穴場なのでは。
横川駅から碓氷峠の「めがね橋」を目指す
高崎駅でK氏と合流して横川駅でちゃきちゃきっとチャリを組み立てる。同じようなローディーも何人か下車。
みんな碓氷峠を目指すのだろうか。
いつもと違う景色だ! あの峠を越えると「軽井沢」か。
「気持ちいいーーーーー!」
「最高ーーーーーーーー!」
広い道、広い空、何もかも東京とは違う。走り始めからテンションが上がりまくる。
新緑の季節始まってた。群馬の緑は色が鮮やかだなー。
太陽が出ていると暑いが、風は冷たくて気持ちがいい。
碓氷峠は勾配もゆるやかで走りやすい。素晴らしい峠だ。
調子にのったわい、フラグを立てる
心配していた碓氷峠も余裕そうだ。都民の森、箱根を制覇したてのわいは完全に調子にのっていた。
「ブログのテーマが"デスライド"なのに、最近坂登れるようになってきたし、デスライドのネタがなくなってきたんだよね〜」
「ほほう」
「もはやK氏が面白いことでも言ってくれないと、ネタにならないよ。さあ、面白い発言をしておくれ!」
「無茶振りやめろ。それならより過酷な山を目指すしかないのでは」
この発言が後々完全なるフラグになるとは思っていなかった。
おお、めがね橋が見えてきた!
「碓氷峠はじまったな!!!」
「でかっ!」
映画「風立ちぬ」の劇中でも登場するこの橋は、日本最大の煉瓦アーチ橋らしく、使われたレンガの数は200万個。かつては鉄道が通っていたらしいが、今は遊歩道として整備されている。
下から散策している人が見えるのもなかなか風情がある。
いきなり最高のロマンを味わってしまった…。
最高の旅の予感しかしないぞ!
「風立ちぬ」聖地巡礼、軽井沢へ
さくっと碓氷峠を越えると長野の看板が見えてくる。下るとすぐに軽井沢だ。
この道は「風立ちぬ」で菜穂子が屋外で療養していたモデルとなったサナトリウムレーン。
軽井沢はあちこちにオシャレな別荘があり格差を感じる。
1894年創業「万平ホテル」
続いては、室生犀星や堀辰雄、三島由紀夫など有名な文豪やジョン・レノンも過ごしたと言う「万平ホテル」。
「風立ちぬ」の二郎と菜穂子が出会った場所のモデルになったとも言われているが、なんとも上品で格調高い雰囲気。
派手なサイクルウェアでいるのが相当場違い。
は〜こんなところに泊まってみたい。
別荘にもホテルにも止まれない庶民の我々は「会議は踊る(Das gibt's nur einmal)」を口ずさむことしかできない。帰ったら「風立ちぬ」を見よう。
軽井沢避暑地発祥の地「ショー記念礼拝堂」
軽井沢別荘第1号の「ショー記念館」と礼拝堂。
礼拝堂は神聖な気持ちで入るようにという案内があり、写真が撮りたいだけの我々の心は邪な気がして中に入れなかった…。
代わりに、礼拝堂の奥にある別荘を見学。
有名ソーセージ店「腸詰屋」でホットドッグ
次は、軽井沢中心地まで下って軽く腹ごしらえ。
ハムやソーセージを販売している「腸詰屋」ではパンからはみ出すほど長ーいソーセージが食べられる。
K氏に席をとってもらい、私がホットドッグを受け取ったのだが、セルフでかけるケチャップがうまくでなくて血飛沫がかかったような見た目にw
「うまいが、見た目が完全にホラー」
「すまない、死霊のはらわたみたいになってしまった」
味の良さが写真からまったく伝わらないが、パリッ、っと皮が弾けた瞬間にジュワッと肉汁が広がる、これぞソーセージのうまさ!といった感じだった。ソーセージ大好き!
店内ではサラミやハムの試食もできるぞ。
知っているかL。ローディーはお土産が買えない。通販しようね。
- ジャンル:デリカテッセン
- 住所: 北佐久郡軽井沢町軽井沢565
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- (写真提供:slm-mtu)
デザートは「ミカドコーヒー」のモカソフト
人気店「ミカド珈琲」は常に行列が。
モカソフトうまー。
https://tabelog.com/nagano/A2003/A200301/20000177/
まさかの刺客「ロマンチック街道」でフラグを回収する
一通り軽井沢を堪能して、向かうのは30kmほど北にある北軽井沢、嬬恋の宿。
「ロマンチック街道」を北上するだけなのだが、何か様子がおかしい。
ガッツリ坂道だ。坂道というか山道や!
名前からオシャレな散策道を想像していたが、全くそんな気配がない。
しかも路面も悪くて車も多いし、勾配もきつい。そして暑い!!!
「……」
「……普通にきついっすね」
「………つらい」
「あ、見てみて!勾配10%の看板だよ^^」
「……本当につらい」
「15%の看板だ」
「呼吸が苦しい。右の肺が痛いwwww」
酸素が薄いせいかわからんけど、胸の奥が痛くすぐったいような感じが。
そういえば横川の時点で標高差からくる耳鳴りがしていた。標高はすでに1000mはある。
なんだよこれ、つらすぎんよ。
右肺をおさえながらフラフラと登る。
「碓氷峠で立てたフラグをこんなところで回収してしまうとは、さすがですよ。ブログのネタができて良かったですね」
「ロマンチック街道」ノーマークだった。北軽井沢の刺客。
勾配も長さも箱根くらいのつらさがあった…許せない…ロマンチックはどこにあるんや。
つらさしかないやないか…。
登りきったあたりで絶景浅間山の展望があったから許した。
いややっぱり許せない…ロマンチック街道め。
よく考えると浅間山のふもとなんだから山道があって当然だよなぁ。
「浅間牧場」で浅間牛のステーキ!
ロマンチック街道で不意打ちをくらい、心身ともに深いダメージを受けてしまい予定より遅いランチ。
皿からはみ出るでっかい牛ステーキでたんぱく質をがっつり補給!
牧場内にはアルパカがいるらしい。アルパカみたい!
不思議生物アルパカ、どう扱っていいのかわからない。
こっちみんなショット。
北軽井沢はまだ春が来ていない
ロマンチック街道を抜けてようやく下りへ。嬬恋の別荘地に入るが、ここもアップダウンがなかなか激しい道であった。
正直もう坂はのぼりたくないよ。
16時頃、ようやく本日泊まるペンション「コスモス」に到着。
横川の新緑とうってかわって、こちらはまだ冬景色。雪も少し残っている。
桜がようやくつぼみをつけ始めたのだとか。
老夫婦が経営しているアットホームな宿だ。
夜と早朝は冷え込むのでストーブがついている。
近くの公共温泉で風呂と洗濯を済ませ、明日の渋峠に備えてそっこー寝た。
2日目朝。
ここの朝食は素朴な家庭料理といった感じだが、とにかく素材が何もかもうまい。
野菜が全部シャキシャキ。つけあわせのクレソンが新鮮な風味で超うまかった…。
パンにつけるブルーベリージャムはご婦人の手作りらしく、当たり前だが人工的な甘味料の味が一切しない。ブルーベリーの香りと甘さがぎゅっと詰まっている。
あまりにもうますぎてパンを2枚分食べてしまった。
出発時は、忙しいにもかかわらず「自転車できたの!?すごいわね!気をつけてね」
と玄関まで見送ってもらった。ぬくもりてぃ。
2日目に続く