ロードバイク納車2日目に140キロ走って尻が10個に割れた話〜荒川悟りのデスライド〜
「ロードバイクなら100キロ余裕で走れる」
このような都市伝説がカジュアルに語られているようですが、初心者はその言葉をそのまま信じてはいけない。
確かに走れる。可能という意味では。だって地続きだし。
余裕というのはママチャリに比べて、という話。
あとロードバイクに慣れた人なら、200、300走れる人にとっては余裕という意味なんだよ。ここ大事テストに出る。
で、私はというとタイトルのとおり納車次の日に140キロ走りました。
当初は都内から榎本牧場ゴール往復80キロ予定だった
今、計画を見直してみると、荒川サイクリングロード沿いにある、榎本牧場で折り返しの80キロコースの予定だったね。
ほんまどういうことやオイ。
ラインのログを見ても前日はロードバイク買いたてウキウキウォッチングだし、あの時の自分に「この後、地獄をみるんだよ」と教えてあげたい。
というか80キロでも初心者にしては長距離では?
だいたい、初心者の場合は30、50、70…と徐々に距離を伸ばし、100キロは2、3ヶ月かけて指す目標値らしい(というのを最近知った)。
「あの頃の僕はどうかしてた」
って君は今でもどうかしてるよ。
で、前日はというと「初心者やし、乗り方とかググって勉強しとくか^^」という感じで、ロードバイクの乗り方、みたいなyoutubeの動画を2本見ただけでした。まあ他にできることもないし。
シティサイクルと違ってフロントのギアが2枚ある意味とか分かってないし、サドルの腰掛け方もケイデンスも知らない。
これが後にとんでもない負荷になるだなんて想像もしていなかった。
午前8時都内スタート〜20km地点で尻が壊れる
「ロングライドは軽いギアで走ってください。あと小腹がすいたら小まめに補給して」
「は〜い(軽いギアにしたらいっぱい漕がないとダメじゃない?めんどくさwwしっかり漕ぐわ〜)」←死亡フラグ
初心者らしく、ママチャリ漕ぎでガシガシペダルを回す私。
その割に速度は20kmちょいとそんなに出ず、K氏にすぐに引き離される。必死でついていこうとさらにガシガシペダルを踏む私…。
あれ〜ロードバイクって思ったより速くないぞ、速いけど。でもミニベロのK氏に追いつけないぞ〜〜〜。ともがいているうちに、疲労がどんどんと溜まっていく。
どれくらい疲れたら休憩すればよいのかもよく分からなかったが、そんな心配も束の間。
「なんか…尻が……めっちゃ痛い!!!!実は最初の方からジワジワ痛かったけど、尻が4つになりそうなくらい痛い!!」
というわけで、休憩に入り尻を休める。
「うーん、サドルですかね。尻が痛い人は相性がいいサドルを見つけるまで延々とサドルを買い続ける"サドル沼"にはまるらしいですが」
ロード本体と装備ですでに25万以上飛んでいるというのに、いきなりサドル買い替えだと…?本当にロードバイクは貴族の遊びだよ。貴族の遊びなのに庶民が手をだしてしまった罰がこれか。
けど今、「このサドルにすれば尻の痛みは無くなります」と言われたら数万くらい積んでしまいそうだ。それくらい尻が痛い。
とはいえ、ここでリタイアする訳にもいかないので、尻を休めて何とか走ることに。
埼玉の中に北海道がある
荒川をどんどん北上すると、めちゃくちゃ広大な平野がひろがっていく。
これが社会科の教科書にでてた「関東平野」か。四国生まれの私からすると、こんな広大な土地を見たことがない。
噂に聞く北海道もきっとこんなのに違いない。埼玉に行って北海道が楽しめるなんてコスパいい。
広大な土地で尻の痛みを抱えながらロードバイクをひたすら走らせ、K氏に追いついたら置いていかれたりを繰り返していると、どこかから聞いたことのない音がした気がした。
ポキ…
心www折れたwww
そして急に足の力が抜けて速度がどんどん落ちていく。
すごい、心が折れると走れなくなるって本当なんだ。弱ペダ今泉くんに今自分がなってる!と心折りながら感動した。
そして、巻島センパイの
「限界まで回すしかないショ!」
を思い出し、ペダルを踏んだ。というか踏むしかなかった。周り何にもないし。全然進まないけど。
くる…くる…くるくる…(ひめぇ…)。
cafe VIAで癒しタイム
カジュアルに心を折りながらも、なんとかローディーが集まる古民家風カフェVIAに到着。
サイクルラックに吸い寄せられるー。ここで一気にHPもMPも回復〜。
ネイチャーきれいだし♡
ローディー歓迎ムードだし♡
アニマルもかわいいし♡
ケーキもおいしいし♡
馬ー♡
ロードバイクでこんなところに来れるなんて、ちょっと感動…ロードバイクって楽しい!
尻は5つに割れてるけどまた来たい〜。回復する〜。
ローディーの聖地、榎本牧場到着
5キロほど走り、本日のゴール(のはずだった)榎本牧場に到着。
「聖地に初日ライドでこれちゃった」喜びと達成感でいっぱいになる。
さぁ、名物のソフトクリームだ!
ラムレーズン、うまー。
牧場の豚や生まれたての子牛を鑑賞〜。楽しい、これは楽しいぞ!
車や電車で来るよりも達成感がはるかに高い!
ウォーキングで来ている地元のおじいさまに「東京からきたんか!すごいな」と褒められて誇らしい。
そうだよ、自転車で、自分の足できたんだよ!!
高半で盛り盛り丼ランチ
続いてランチはローディーにも人気の高半。ここもサイクルラックがあり、ローディーはじめ地元の人がすでに人が溢れかえっている。
注文待ちの間、疲れで座ったまま爆睡する私。
盛り盛りの 海鮮丼きたー♡
K氏は天丼。でかい。
「結構走れてるのでこのまま荒川サイクリングロードの果てまでいってみましょう」
「うん!(ご飯美味しいモグモグ)」←
飯で気を取り直した私、またも死亡フラグをたてる。
埼玉北上、馬糞峠という新たな関門
荒川 サイクリングロードに戻り、ひたすら埼玉を北上する2人。私の尻はすでに6つに割れているが、痛みに慣れてきた。
今冷静に考えると、身体が出した危険信号を無視し続けたせいで「こいつだめやわ」と脳が諦めて、痛みを感じさせない別のホルモン出してたのかなとも思う。
どんどん不穏な感じの景色になっていく。ここは本当に日本かな?ハリーポッターかな?
森というか林というか、禁猟区になっている地域を通り抜け、再び荒川らしい広大な平野に出た時である。
「な、なんか…臭い!」
風下にある牧場から、新鮮な家畜の糞尿のかほりが調達されてくる。しかも、それが2キロほど続く。
思いもよらぬ刺客「荒川馬糞峠」。
有酸素運動のロードバイクにこれは非常にきつい。坂道以外にも峠は存在することを知る。
ちなみに荒川は向かい風でも有名で、向かい風がきつい日のことを「大荒川峠」と呼ぶらしい。この話はまた後日。
荒川サイクリングロードの果てへ
果てとはいえ何もないし、GoogleMAP上の果てなので本当はもっと道が続いていたが、何となく記念撮影。
スタートから70キロ地点。
ふぅ…
ここから帰るのかwwwww
テンションあがるぅ…。
既に尻は8つに割れているし、尻の痛みをカバーしようとして膝も痛くなっていた。
ペダルを回すたびにピキピキとやばい感じの痛みが右膝に走る。最初にガシガシとペダルを踏んでいたツケが一気にここでやってくる。
「ううっ、膝が痛いよK氏」
「膝はやばいですね…」
「ど、どうすれば(ヘルプを求める視線を送る)」
「そうだなぁ…僕、尻とか膝とか痛くなったことないんで分かんないすねwwww」
「!?」
やはりまわすしかないショ…
我慢してロードバイクという名の三角木馬にまたがる。
この時点で15時、暗くなると別の意味でやばくなりそうというのは素人の自分でも分かる。
ここからは本当に限界を突破するしかないショな限界ギリギリライドなので写真はもうない。
帰りはK氏に大半引いてもらい、ほぼ「無」の境地で走る。心を折っている暇もない。
いよいよ心身ともに本当にやばくなったのでマクドナルドで休憩(108キロ地点)。
100キロを突破したのは地味に嬉しかったが、喜びを噛みしめるのは後だ後!
インナーギアに切り替えて、悟りの境地で走り抜く。
日は完全に落ち、街灯もなにもない荒川は真っ暗。怖い、道が見えないとこんなに怖いのか!
あんなに昼間はウジャウジャいたローディーも1人もいないし、一般人の姿ももちろん見えない。
世界は滅んだのかもしれない…。多分滅んでるのは自分の肉体だけど。
2人で並走してライトをマックスに照らして荒川サイクリングロードを走り終える。
公道に入ってからは、もはや緩い坂も登れなくなり、体感時間で3時間くらい(ふつうに走ると30分)の帰路を走りぬいてなんとか無事帰宅。
こうして初ロードバイクの140キロを終えたのでした。
尻は10個に割れていて、2つに戻るまでに1週間かかった。
正直なところ、めちゃくちゃしんどいけど、めちゃくちゃ面白かった(無事?帰れたからだけど)。今でも話のネタになるし。けど、他人には勧められない…。
あと、最初に長距離走っておくと自信になるのがいいところ。
このあとの70キロ、80キロのライドがへぼく見えてくる。
そうか。こうして「100キロ余裕」と嘘付くローディーモンスターが出来上がるのか…と妙に納得してしまった一件になった。
ちなみに今でも100キロ走るとちゃんとしんどいから。この時よりはるかに走れるけど。
走行距離140キロ
ライド時間 約12時間
ロードバイクで坂を登れない初心者が、目白激坂「のぞき坂」に行ってみた
本日は予算の関係で遠方に行けなかったので、都内目白の坂スポット巡り。
集合時間に起きる、という大遅刻をしたK氏をコンビニで待つ。私も遅刻していたのでたいした問題ではない。鍵を忘れたのでヘルメットとホースを繋いでダッシュでコーヒーを買い、のんびり。
そのうちボトルゲージを忘れたK氏が到着。近場で都内だと、いざという時になんとかなるという気持ちがあるのでお互いグダグダ。
本日のコースはこちら。
緩い坂から激坂まで、だいたい6つくらいの坂が入ったトレーニングコース。
「講談社の近くで坂がのぼれるなんて、うれしくないですか?」
いきなり何いってるかよく分からないK氏。
K氏は「余裕」「楽勝」「いけるいける」、というローディー3大虚言を撒き散らしていたのでかなり不安だったが、序盤の坂は意外にも難なくクリア。
もはや斜度10パーセント程度の公道であれば、座ってクリアも可能というのが分かったので、本日は見所の2つの坂だけピックアップ。
元鳩山首相の元ご実家「鳩山会館」行きの坂
坂っていうか、スロープだった。
右曲がりスロープ一個だけの50メートルくらいの坂。斜度はわからない。
シッティングでのクリアは厳しいので、途中からダンシング(いわゆる立ち漕ぎ)で何とかクリア。
とてつもなくハイソな洋館が…。
これがあの鳩山一族と言われるあれか。完全に貴族の建物じゃないか。
バラの庭園、邸内はステンドグラスが見どころの観光スポットらしいですが、我々は邸宅を前に坂のことばかり話してて、中を見るという選択肢すら浮かばなかったよ。
見ればよかった。
「このワインディング、美しいね」
※ワインディング=坂の曲がりくねった所。写真の右端の縁石の箇所。ロードバイクに乗り始めると、このうねり具合がやたら気になる病気にかかる。
車も通らないし、がんばれば登りきれる坂なので練習スポットとして最適なのですが、ハイソな観光地なのでスポーティーな格好して何度も行き来するのはかなり憚られるのがなんとも。
背筋でバランスをとればいいのか
坂の重力(後ろに下がる力)<推進力
ビンディングペダルとシューズが固定されているため、足つきはできません。この力関係が>になるとこける。
推進力を保つためには、1回1回のペダリングに力を与えつづけないといけないので、背筋を使って体をとにかく真っ直ぐにしないといけない。激坂ではとにかく集中してバランスを保つのが大事っぽい。
「背中が…背筋がピキピキするぅぅぅぅぅ!」
これがとにかくきつい。坂の上で「姿勢を維持する」のがきつい!!斜度が増すたびにこれがきつくなる。
私の場合、まだ体が左右に揺れているらしいのでたぶん力の逃げが大きいんでしょう。左右のペダルへの力をいかにうまく、無駄なく配分するようにペダリングするか。そのためには体幹の左右上下の重心は固定しておかないといけない。
理論やコツは頭ではなんとなく分かってきたけど、できるようになるためには、トレーニングと練習あるのみ。体で覚えるしかない。
まず理論を読んで、実践してその理論の意味がなんとなく分かり(完全な回答はない)、次に自分の体に合った筋肉の使い方で体に染み込ませていく、この行程がロードバイクの面白さの1つだと思ってる。
姿勢とバランスを維持する背筋はマストだなー。
ラスボスは都内有数の激坂「のぞき坂」
新旧の目白坂もなんとか登り切り、やはり短めの坂なら何とかなりそうだな〜と思っていたところでK氏からアウアンス。
「次が最後の坂です」
「は〜い(これで全クリアやな^^)」
…。
……。
…………。
!?
「ウッゲェェェェェ!!!!ラスボスやばああああああ」
インナーギア3枚残して登り始めたけど、あまりの斜度に1枚落としたところでギアチェンジの衝撃でバランスを崩す。そして2枚目のギアを落とせず足つき(危険を察知して左だけビンディング外してた)。
うーん、これは最初から1番軽いギアでよかった…。
ギア選択ミスでクリアならず。これはかなり技術がいるなー。
坂の種類ごとに自分の最適なギアを見つけるというのも課題になりそう。
三角コーンも斜めになってるし。
背後の電柱とコーンの傾き具合の比率、おかしくない?
登りきったあとの坂。
坂がみえない。崖か。
「もはやミス工事レベルの坂」
走行距離23km、坂を織り交ぜると距離が短くてもいい感じの疲労度で満足度も高いですね。たまには都内で坂めぐりをするのもよさそう。
ロングライドだと、ここまで冷静に坂について考える余裕がないしね。
あんなに坂が嫌いだったのに、ふとした瞬間に「峠が家から5分くらいの場所にあればいい練習になるのにな〜」とか考え始めている自分が怖い…。
ゆるぽた湘南〜小田原一夜城公園怒りのドーナツ激坂デスライド!
週末の予定をたてる私とK氏。
私がロード沼に首まで浸かってしまったため、毎週末のこの行事もすっかり恒例となった。
K「明日だけど、山は凍結ダウンヒルでそのまま地獄まで下れる可能性大だからコース変更やで。せっかくやからコース引いてみ。」
私「こんなんでどうやろ。ゆるぽた湘南グルメライド。」
「ええね。小田原はちょっと行ってみたいとこあったし。昼頃には小田原これそうなんで、ここで飯にしましょう。」
「時間どおりに着いたら小田原でちょい遊んでもええね。じゃ明日。」
今回は、町田スタート、境川サイクリングロードを江ノ島まで下ってそのまま湘南沿岸を走り、真鶴観光して、余裕があれば熱海までいくという平和な平坦コース。
になると思っていた。なるはずだった。なぜならなかったのか。その経緯を綴っていく。
境川サイクリングロードで過去最高時速巡行やで〜
2回目の境川サイクリングロード。
道の舗装も良いし景色も最高。自分至上最高のサイクリングロードで湘南までアップもかねての巡行。
前回のロングライドでかなりスタミナが余ってしまったため、今回はゴールで脚とスタミナを使い切る感じで行こうと決めていた。
ブレーキが噛んで、ロードバイクがママチャリになるというメカトラブルもありつつ、修理をしてからは時速30km弱で順調に走行。
アニメ「ろんぐらいだぁす!」 にも出てたこの道〜。柵の模様が朝日で地面に投影されて、テンションがあがる。
道まで私たちを歓迎してくれている。神奈川は自転車の聖地だ。
あーやはりロードバイクは楽しい。
「今までよりも平均時速5kmくらい速くなってますよ。いいペース。
「まじで!タイヤの恩恵かな!」
あっという間に湘南ついたわー
午前9時半にはもう湘南に。このペースなら小田原ランチ&遊びも余裕そう。
湘南の海岸線、あったかいなり〜。
ビーチも最高〜〜〜〜〜!この開放感最高〜〜〜〜〜〜〜!!
海岸沿いの散歩道をゆるぽた。正面には「富士山」が見える〜〜〜!
空気澄んでる〜〜〜!
公道に入っても道が広くて走りやすいし、ストレスなく踏めてめっちゃ順調。
緩やかなアップダウンもあったけれども、難なくクリア。今までよりも格段に坂が登れるようになっているのが分かる。うれしー。
小田原漁港でランチ!本日採れたての魚介で海鮮丼じゃー
いいペースで走ってきたので、お腹はペコペコ。
魚市場食堂にいくつもりだったけれど、ものすんごい行列だったので向かいのお店「小田原早川漁村」へ。
朝漁港でとれる新鮮な魚介を使っているらしく、メニューの魚は日替わりなんだそう。
日替わりの魚大当たりすぎじゃろ。迷わず「日替わり3種海鮮丼」を選ぶ。
んおー、ご飯の量はちょっと足りないけど、魚がぷりっぷりでうまー。味噌汁も海苔の風味がたっぷり!家でこの味の再現は不可能。汗をかいた体にミネラルと塩分が染み渡る。
幸せ…。
以前行った「三浦半島」は過去最高クラスのロングライドでしたが、今回の神奈川も相変わらず満足度が高い。神奈川に住みたいよー。もしくは町田。
自己ペースも良いし、飯もうまいし、超順調!いや〜今回は珍しく平和に終わりそうだなあ。
「いやー速くなりましたね。あと坂もすいすい登れてる。もう僕がミニベロでついていくのが限界かも。」
「いやいやwwwwそんなことないでしょwwww(え、まじ?成長しすぎ?調子のっちゃうわー)」
怒りのデスライド開始
腹も満たしたし、補給も完了したところで、ふと右手の丘に白くてでっかい石像が見えた。鎌倉とかにありそうなやつ。
「…あれなんやろ」
「行ってみます?」
「いや、別にいいし(めんどくさい)」
「じゃあ行きましょう」
「聞いてる?」
…。
………。
……………。
!?
!????????????
スタートすぐの地点に現れるドーナツ。
この模様の坂は「きつい勾配で車が滑らないように摩擦抵抗を増やす」目的で工事されるもので、自転車乗りの間では「ドーナツ坂」と呼ばれるもの。
都内でも地下駐車場のスロープはこの模様が入っている所が多い。
車ですら滑り落ちそうなくらいの「激坂」ってことなので、この模様が見えると基本的にやばい。やばい坂。
とはいえ、大きな山でもない限り、ドーナツ坂が長く続くことってそんなにないはず(緩い坂や下りが混じる)なのに、ここずーっとドーナツ坂なんだけど???
普通のアスファルト来た!と思ったら向こう側にまたドーナツが見えるぅぅぅ!!!!!!!
お前wwまたwwwドーナツwwww
曲がってもドーナツドーナツ🍩🍩🍩
あと普通のアスファルトもそんなに斜度変わらないんだが???
平坦とか下りどこいった?滅んだの??
また普通のアスファルトにしといて再びドーナツのおかわりwww
これが果たしなく続く。
ふと立て看板を見ると「石垣山 一夜城公園」という文字が。山じゃねえか!
山どころかもはや立体駐車場だよ!
しかも親切に「頂上まで2キロ」と残り坂の距離をカウントダウンしてくれる…。看板が精神を破壊してくるし看板に殺される。
とっくの昔に心肺も脚も売り切れた私は、3つ目のドーナツカーブで自転車からおりた。
チャリ押してる…。わざわざ山でチャリ押して登山してる…。
自転車での山登りを「ヒルクライム」っていうらしいけど、私のは「登山」。しかも8.5キロのチャリを押す登山。
この登山、意味あるかな?
あとビンディングシューズ、歩行に向いてないし、もちろん登山にも向いてない。
靴底のクリートが滑って、歩行ですら普通の人より遅いペース。
生きる意味とか考え始めるレベルでつらい(心ポッキリ)。
そして、あまりにも終わらない坂のストレスからか、途中で急激に体調が悪くなり始めた。
ちなみにK氏には開始1分でちぎられている。
「やばい、お腹めちゃ痛くなってきた…。それどころか気持ち悪い。さっきの海鮮丼全部リバースしそう。っていうか目の前が白くなってきたし…あっ…」
まさかのここでリタイヤ…?
初めてのリタイヤ…?ゆるぽた湘南グルメライドで、えっ?
あまりにフラフラ登っていたのか、みかん農家のおっちゃんとおばちゃんに
「えらい疲れてるけど大丈夫か?」
と声をかけられる(そのあと、みかん買うてくれと言われる)。
しばらく坂の上でプルプル震えていると、頂上までいって折り返してきたK氏が戻ってきた。
体調が著しく悪いことを伝えて、そのまま頂上までいかず終了。
ダウンヒルしようにも、あまりの急勾配が怖すぎるし、体調悪化により手に力が入らないため下りもチャリを押して下ることにwwww
「もしかして、小田原で行きたいところってココだった?」
「うん。虫さんのブログ見て行きたくなった。」
そう、小田原で遊ぶ、とは山に登ることだった。しかもS級激坂の。
何度もK氏に騙された私、またも騙される。
ローディーの言うことを信じてはいけない。毎回こう思うのに毎回騙されてしまう…。
結局、白い石像もなかったらしい。
ゴールにもたどり着けないし、登れないし、体調悪くなるし、マジで何しにいったんや!
真鶴半島へ
下り終えると体調がモリモリと回復してきたので、そのまま当初のゴール予定真鶴まで目指すことに。
途中の海岸線でアップダウンはあったものの、こちらはクリア。どうも私は長く続く坂が苦手らしい。
真鶴半島の先端まで2kmくらい。
たぶんすぐに着くだろうから、先端にある博物館内の喫茶店で休憩して真鶴駅から輪行して帰ろうということに。
…。
………。
……………。
ハァァァァ!!!!また長い登りぃぃぃぃぃ!
「沿岸はこういう山みたいなアップダウン多いんやで。僕ももうさすがにきつい」ススススー(3分で千切られる)。
「(´;ω;`)」キコキコキコ…(ペダルをちまちま回す)
あとさ、真鶴駅からまっすぐ沿岸まで「下った」よね?
これって帰り道は「上り坂になる」ってことだよね?
下る必要、ありますか!?!!?
この下り、いる????
真鶴半島先端到着後に精神崩壊
まさかの再度激坂で、ライフはすっかりゼロ。
貝類博物館のトイレで鏡見たら、坂のストレスで顔がパンパンに腫れ上がってて死んだ顔してた。
隣接の喫茶店でケーキセットを食いながら、坂の途中で考えていたことを口に出しはじめる私。
「ろんぐらいだぁす!でさ、主人公のあみちゃんが初めてロードバイク乗るシーンあるやん。羽が生えたみたいに軽い〜って描写。あれは分かる。」
「あったね」
「で、ギア2段あげたら、さらにふわーって羽ばたいていくやん?あれも分かる。」
「おう」
「そのあと、ヤビツ峠登れちゃうやん?あれはマジで分からん(怒怒怒」
「wwwwwwwww」
「ロード初心者が勘違いするし、あれのせいで不憫な生まれたての子鹿が生産されるんだよ。あみちゃん、許さない…!」
「…(坂登りすぎて壊れちゃった)」
このあとK氏から「あみちゃんはきっと軽いから云々」みたいなマジ説明されたけど疲れててよく覚えてない。
意味不明な理由を挙げては怒り狂う私をみて爆笑するK氏。
「ヤビツは実際初心者向けだから、今度行きましょうね」とかなんとか言っていたような?アーアー聞こえない。
坂が登れない怒りをアニメにぶつける糞虫ペダル、それが私…。
せっかく来たことだし、岬の景色を楽しみ…
茶屋にある謎のポエムっぽい看板を鑑賞。
今にも神話生物が現れそうなクトゥルフっぽい「三ツ石」でSAN値チェック。
海岸で肩を寄せ合うカップルを見ながら「あの人たち、車で来てるんだよきっと。だから坂はしんどくないの」と漏らし、K氏からは「当たり前や」と突っ込まれる。
「心拍がきつくて坂が辛いなら、ギアあげて筋肉で登ってもいいかもね。真波スタイル」
「!!!そやな!帰りにやってみるわ!なんかできる気がしてきた!」
帰り道、真波スタイルを試すも、筋肉は速攻売り切れ。
ギアも一瞬で完売し、心拍も速攻で終了。1分でK氏に千切られて本日のライドは終了した。
泣いた。
「生まれ変わったら、沿岸のくだり坂になっている土地を埋め立てる仕事をする人になる。登りと登りの土地を繋げて平坦な崖を作れば坂はなくなる。」
「頭おかしくなった」
いつもはライドの記念として愛車と風景をセットで写真撮影するのに、今回は激坂のせいでそれも忘れていた。
かろうじて、自転車が写り込んでたカットは、iPhoneをしまう時に偶然ボタンを触ったのであろうこれだけ…。
… (´;ω;`)
……(´;ω;`)
帰りの電車で顔の穴から汁という汁を垂れ流しながら爆睡して、湘南ゆるぽたグルメライド、もとい小田原怒りのデスロードから帰宅した。
辛かったけれど、満足度は高かったよ。将来平坦職人になる夢も見つかったし。
次の日、会社の横の駐車場でドーナツ坂を見たときに「ひっ!」て声が漏れた。
2016年ロードバイク2ヶ月初心者が買ってよかったもの
今年買ってよかったものエントリーがこのシーズンはホットらしいので自分も書いてみます。
ロードバイク歴はまだ2ヶ月で、先週やっと走行距離が1000kmいったばかり。
坂は登れないので好きではないです。坂は辛い。でもいつかブルベとか出たいから登れるようにはなっておきたい。
こんな私が買って良かったと思った自転車関連のものを振り返ってみます。できれば必需品(ライトとか)はなしで。
乗ってるロードバイク「BIANCHI INTENSO 105」2016年モデル
まずは愛車紹介から。これはもちろん買って良かったものです。
サイズは50。
上の写真は納車1日目のものですが、次の日荒川で140kmのライドに連れて行かれ、尻とか膝とか死亡しました。
連れて行ってくれたひといわく「ロードなら100km余裕だと思った」だそうです。
んなわけあるか。
ローディーは基本的に感覚が崩壊しているので、初心者は「余裕」「楽勝」というセリフは信じてはいけません。
彼らは基本的に1番辛かった過去のライドと比べてこのようなことを言う生き物なのです。
では、本題の買ってよかったものにはいります。
Bianchi(ビアンキ) Mini Velo 7 Lady(ビアンキ ミニベロ7 レディ)2016年モデル
いきなり自転車です。
ロードバイクを買う前に買ったものです。
これを買った3週間後にロードバイクを買うことになりました。
どうしてこうなった。
もはや乗ってないので「買わなくてよかったものリスト」でもいい気がします。
しかし、こいつを買って荒川70km、次週多摩湖70km走ったことにより、「この性能ではだめだ」と気がつき、3週間目でロードバイクを買えたと思えば、やはり買ってよかったことになります。
もう乗ってないので誰かいりませんか。
インナー:おたふく手袋ボディータフネスハイネックシャツ
一月でロードバイクとミニベロ、基本装備一式を買ってしまったため、あまり贅沢ができなくなってしまいました。
そんな中、自転車乗りの間で「コスパ最強」と誉れの高いこいつを買ってみましたが、噂通りの代物です。
温かいし汗冷えもほとんどしない、裏起毛で着心地もメチャクチャいいです。お値段1000円前後。まじコスパ最強。
計3着買いました。高性能すぎてもうユニクロヒートテックに戻れない。
どうも秋冬インナーには織柄チェックと無地の2種類があるらしく、個人的には織柄のほうが少しゆったり目で快適です。
私は身長162cmの普通体型でSサイズピッタリでした。小柄な女性は無地のSサイズのほうがよいかも。
夏用インナーもおたふく買うかな。でもパールイズミも気になる。高いけど。
会社で着ていると「野球選手みたい」と言われますが、着ると笑えるくらい野球選手みたいになります。デザインも意外とかっこいいので、男性なら普段着のインナーでも使えるのではないでしょうか。
おたふく手袋 ボディータフネス 保温 パワーストレッチ 長袖 ハイネックシャツ ブラック M JW-170
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サイクルパンツ:Wellcls(ウェルクルズ) 冬用 ウインドブレークタイツ
寒くなってきて冬用のサイクルパンツが欲しくなってamazonで適当に買ったものですが、裏起毛だし表だけ防風素材が入っててなかなかよいです。
乗り慣れない時はサイクルパンツのパッドが恥ずかしくて「スカート欲しい」と思ったのですが、いざ走りに行くとローディーは人の尻なんかより、「どんなタイヤ履いてるのか」とか「あの人のふくらはぎの筋肉すごい」とかしか見てないことが分かり、どうでもよくなりました。
空気抵抗も考慮して今もノースカート。
Wellcls(ウェルクルズ) レディース 冬用 ウインドブレークタイツ (3Dゲルパッド付き) 防風 裏起毛 フリース 自転車 サイクリング (黒, S(68-74cm))
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スポーツサングラス:FERRY
紫外線と、虫アタックから目を守ってくれます。もうこれなしでは走れない。ロングライドは目の保護でだいぶストレスが軽減される気がする。
普通のサングラスを使ってた時もあったのですが、日が落ちると暗いし視野が狭くなるんで、やはりスポーツ用のがよいなと思いました。
多摩川サイクリングロードは特に虫アタックがひどいので、こいつがないと常時目で虫を食べ続けることになります。
レンズ取り付け時に部品を曲げてしまったので正常な状態ならもっと快適かもしれない。
安価だけど5枚レンズがついているし、特に不便はないので十分。
貴族か石油王になったら5万円くらいのサングラスを買ってみたい。
(フェリー) FERRY 偏光レンズ スポーツサングラス フルセット専用交換レンズ5枚 ユニセックス ブラック/レッド
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- メディア: その他
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輪行袋(オーストリッジ)
都内のクソ公道を走らなくて済む魔法の袋。
これあると週末の充実度がかわるし、行くところが最終的に山になる悪魔の袋でもある。
タイヤ IRC tire IRC ASPITE PRO 700X24c
タイヤがパーツの中で一番変化を感じやすくてコスパがいいらしい。特に「コンチネンタルグランプリ4000 IIs」。
と言われていたのですが、よく行く表参道ビアンキストアに置いてなくてこれになりました。
店員さんは最初オシャレで安価なやつ(チェレステカラーのとか)をオススメしてきたけど、自分が求めているものとはなんか違う予感が。
「山とか登ります。ロングライドも」
というと、色々察してくれてこれが出てきました。
ビアンキの店員さんもこれ履いてる人が多いらしい。
軽くて硬め。乗ってても地面との接面積が小さいように感じます。振動吸収もなかなかで、ロングライドした後の疲労があまり身体に響かなくて驚きました(楽ではない)。
これで山に登るとどうなるんだろう、という気持ちをもたせて来る魔力をもつアイテムでもあります。
ビンディングシューズとペダル
ペダリングのストレスが減ったし引き足は何かと便利ですが、速くはなりません。2回こけました。お値段16000円くらい。
靴はダイヤル式でカチカチ回すと紐が締まるやつです。これがまた便利。
ビンディングは着脱がめんどくさくていよいよ公道が嫌になり、山に向かいたくなる呪いのアイテム。
坂も山も好きではないし登れないのに。
イヤーウォーマー パールイズミ
私は体の末端が冷えると痛くなる体質で特に耳はひどいので、イヤーウォーマーがちょうどよいです。
フェイスカバーも検討したのですが、都内12月くらいの気温だとネックウォーマーですらすぐ熱くなって荷物になるので、これで十分。
ただ、山にいくとなると今後はフェイスカバーの方がいい、となるかも。山というか坂は登りたくないのですが、山を登るとなると坂を登らないといけない。宿命。
(パールイズミ)PEARL IZUMI 82 イアーウォーマ 82 1 ブラック F
- 出版社/メーカー: PEARL IZUMI
- 発売日: 2016/08/22
- メディア: ウェア&シューズ
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弱虫ペダル(電子書籍)全47巻
ロードバイクに乗る前からアニメの方は見ていて「面白いなー、レースとか出ないけど」くらいに思っていましたが、乗り始めて見方がだいぶ変わりました。
まず、小野田坂道が強虫ペダルすぎる。
坂道で130のケイデンスとか、ママチャリで激坂登るとか…、ロードになってもクロモリ13キロでヒルクライムビリからトップ追い上げとか、脚力だけでペダル壊すとか。化け物かよ。
そして経験者どころかエリートの今泉が素人のママチャリに勝負を挑むだなんて、御堂筋に負けてよほど心を病んだんだな…とか。
本編も相変わらず面白いのですが、作者の後書きが自転車にまつわる詳しい解説で何気に参考になります。後書きだけまとめて本にしてほしいレベルです。
のりりん(電子書籍)全11巻
こっちは割と現実的な感じのストーリーで、ロードバイクの気持ちよさ、楽しさみたいなのでかなり共感できるシーンがあります。
坂のシーンの「生物としてなにか終わった感じがする」というのもめっちゃ共感できます。
何より、あのロードの乗り始めた瞬間にブワッて脳汁が出る感じ。あれがちゃんと表現されててすごい。
ロード買うところの説明シーンなんかはかなり勉強になりました。こちらも作者の解説ページが面白いです。
ひとまず「よかったー」と言えるものはこれくらい。シマノのシューズカバー、ローラー台も買いましたがまだちゃんと使えてないのでよくわかりません。
R250(アールニーゴーマル) ドラム型フロントバッグ ブラック R25-K-FRONTBAG-BK ブラック
- 出版社/メーカー: R250(アールニーゴーマル)
- メディア: スポーツ用品
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フロントバッグもモンベルのものを買いましたが、使えないことはないですがもうちょっと使い勝手が良さそうなバッグがありそうな予感がしています。
おまけで、2017年買ってよかったものになりそうなもの。つまり買う予定のものもあげてみます。
ガーミン Edge 1000J
GARMIN(ガーミン) サイクルコンピューター サイクルメーター関連 エッジ1000J 116122 レッド/ブラック
- 出版社/メーカー: GARMIN(ガーミン)
- メディア: Wireless Phone Accessory
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道を調べる時間が意外とロスなので、そろそろ一緒にライドしてる人か私かが持っていた方がいいなという感じです。
ただ、やはり高い。
高いのでどちらかが持っていればとりあえず…というわけでどっちが先に買うか押し付けあってます。
今はキャットアイのサイコンですが、ケイデンスが測れないので「今より速くなるならケイデンスが測れないとダメ(さあガーミン買え)」と言われ。
「スマホ落として割れたよね?ガーミン買えという神の思し召しでは?」と返し。
こんな感じで煽り合ってます。
y'sroad行くと高額なものがたくさんあって、ガーミンが安く見えるので危ない。
今月は既にタイヤとペダルで散財したので、ガーミンは来月以降に回したいところです。
ロードバイクは辛いけど楽しい
ロードバイクはお金もかかるけど、かけた分だけ変化が見られるので楽しいです。速さや距離が数字に表れるのもいい。肉体も変化するし。
ちょっとRPGに似ています。
最初の140kmライドで死にそうになっていた時に、「もっと楽に走れるようになりたい」というと、連れにこう言われました。
そう、ローディーなら誰しも知っている名言のアレです。
どれだけ練習しても走るのは楽にならない。ただ、速くなるだけだ。(グレッグ・レモン)
😇
でも、今は速くなりたいです。そして遠くまで行きたい。
今週末は、ビンディングシューズ&ペダル、そしてタイヤで初のヒルクライムに挑戦してきます。
きっと登れなくてたくさんこけるでしょう。
普通の山のハイキングのお誘いでさえ「登山とかいいです」って秒速で断っていた私が、まさか自転車で山に登るようになっているだなんて…。
坂は嫌いです。辛いしきついから。登れなくて心がポキポキ折れる。
でもロードで山に登りに行くライドは楽しい。ロードバイクは楽しい。毎回メチャクチャ辛くて、メチャクチャ楽しい。
2017年もいろんなところを走って、いろんな装備でパワーアップして、ロードバイクでこのエントリーを書けるといいな。